猫にとって「水」は、食事と同じくらい重要な健康要素です。特に室内飼いの猫は、飼い主が用意した水だけを頼りに生活しています。しかし、「水道水だから大丈夫」「フィルターは必要ない」と考えている方も少なくありません。実は、フィルターを使用しない水には、猫の健康を脅かすさまざまなリスクが潜んでいます。

この記事では、フィルターなしの水が猫の体に与える影響、水質の問題点、起こりうる病気のリスクについて詳しく解説します。愛猫の健康を守るために、ぜひ最後までご覧ください。

フィルターを使用しない水の水質の特徴

日本の水道水は人間にとって安全基準を満たしていますが、猫にとって必ずしも安全とは限りません。水道水には以下のような成分が含まれています。

• 塩素（カルキ）

• 微量の重金属（鉛・銅など）

• 配管由来の不純物

• トリハロメタンなどの消毒副生成物

これらは人間の基準では問題なくても、体の小さい猫にとっては負担になる可能性があります。特に塩素のニオイは、猫の敏感な嗅覚を刺激し、水を飲む量が減ってしまう原因にもなります。

水を飲まない猫が抱えるリスク

猫はもともと砂漠出身の動物で、水をあまり飲まない傾向があります。そのため、水質が悪いとさらに飲水量が低下し、以下のような病気のリスクが高まります。

• 尿路結石症

• 膀胱炎

• 慢性腎臓病

• 脱水症状

特にフィルターを使用しない水は、味やニオイの違和感から猫が敬遠しやすいため、結果的に腎臓や泌尿器系のトラブルにつながりやすくなります。

フィルターなしで起こりやすい健康リスク

1️⃣ 腎臓への負担増加

水に含まれる不純物や重金属は、体内に蓄積されやすく、腎臓でろ過されます。これが長期間続くと、慢性的な腎臓病の原因になります。

2️⃣ 尿路結石のリスク上昇

ミネラルバランスが乱れた水は、尿のpHを不安定にし、結石が形成されやすくなります。特にオス猫は尿道が細いため、命に関わる尿路閉塞を起こすこともあります。

3️⃣ 消化器トラブル

微量な雑菌や不純物が胃腸に負担をかけ、下痢や嘔吐を引き起こすことがあります。

4️⃣ 水の酸化による劣化

フィルターなしの水は、空気中の雑菌やホコリが混入しやすく、ボウル内で急速に劣化します。特に夏場は細菌が繁殖しやすく、食中毒のリスクも高まります。

まとめ

フィルターを使用しない水は、一見安全そうに見えても、猫の体には少しずつ負担をかけている可能性があります。塩素や不純物、微量な重金属が長期的に蓄積されることで、腎臓病や尿路結石といった重大な病気につながるリスクが高まります。

愛猫の健康と長寿を守るためには、「どんな水を飲ませるか」まで気を配ることが重要です。今日からでも、フィルター付きの給水環境を整えて、安心できる水を用意してあげましょう。