「最近、鼠径部（足の付け根あたり）に違和感がある…」「立ち仕事をすると膨らみが気になる」——そんな症状から始まることが多い鼠径（そけい）ヘルニア。

この疾患は、いわゆる「脱腸」とも呼ばれ、腹部の内臓が足の付け根の隙間から飛び出すことで起こります。

治療法としては手術が基本ですが、手術までの期間や軽度の症状に対して用いられるサポートアイテムが鼠径ヘルニアベルトです。

本記事では、鼠径ヘルニアベルトの基本的な役割とその効果について、わかりやすく解説します。

主な役割

1. 膨らみの抑制

　ベルトによる圧迫で、ヘルニアによるふくらみを一時的に抑え、違和感や不快感を軽減します。

2. 日常生活のサポート

　ベルトを着用することで、立ち仕事や運動時の症状悪化を防ぎ、日常生活を快適に過ごせるようにします。

3. 手術前の対処法として

　すぐに手術ができない場合、症状をコントロールするための一時的な対処法として使われます。

効果と注意点

• 鼠径ヘルニアベルトは治療を目的とした医療器具ではありません。症状の進行を抑える補助的な役割を果たします。

• ベルトの効果を得るには正しい位置に装着することが重要です。間違った装着は、逆に圧迫による痛みや悪化を招くことも。

• 長期間の着用は推奨されず、あくまで一時的なサポートとして考える必要があります。

まとめ

鼠径ヘルニアベルトは、脱腸による膨らみを押さえ、不快感を軽減する便利なサポートアイテムです。

ただし、あくまで一時的な対処法であり、根本的な解決を望むなら早期の医療機関の受診と、必要に応じた手術が重要です。

ベルトは医師の指導のもとで正しく使い、症状の進行を抑えながら快適な生活を目指しましょう。