鼠径（そけい）ヘルニアは、男女問わず発症する可能性があり、とくに高齢者や乳幼児に多く見られます。治療としては手術が一般的ですが、手術までの間や再発予防として「鼠径ヘルニアベルト（ヘルニア用バンド）」を装着するケースも増えています。

しかし、いざヘルニアベルトを着用するとなると、体への負担だけでなく、心理的な不安やストレスを感じる方も少なくありません。

今回は、「鼠径ヘルニアベルトを使用する際の心理的サポート」について、具体的な対処法や心構えを解説します。

鼠径ヘルニアベルトの使用時に感じる主な不安とは？

1. 見た目や装着の違和感

　ベルトの存在を人に気づかれないか、服に響かないかなど、見た目を気にする人も多いです。

2. 社会生活への影響

　職場や外出先でのトイレや着替え時に煩わしさを感じるケースがあります。

3. 将来への不安

　「手術しないで大丈夫？」「これで悪化しないの？」といった漠然とした不安もつきものです。

心理的サポートのためにできること

① 装着経験者の体験談を知る

同じようにヘルニアベルトを使っている人の声を聞くだけで、「自分だけじゃない」と安心できます。SNSやブログ、医療系コミュニティを活用しましょう。

② 医師や看護師に遠慮せず相談する

ヘルニアベルトの選び方や着け心地、装着時間について不安があるときは、専門家に相談することが最も安心できる方法です。

③ 家族や身近な人に理解してもらう

自分ひとりで抱え込むよりも、「今こんな状況なんだ」と伝えるだけで心理的負担が軽くなります。

④ 着用に慣れるための工夫をする

たとえば、「締め付けすぎないタイプのベルトを選ぶ」「肌にやさしい素材を選ぶ」「寝るときは外す」など、生活に合った調整でストレスを減らしましょう。

⑤ 心のケアも大切に

不安感が強いときは、リラックスできる時間（音楽や散歩など）を意識的につくることも大切です。心理的ストレスが軽減されると、体の痛みや不快感も緩和されやすくなります。

まとめ

鼠径ヘルニアベルトは、ヘルニアの進行を防ぎ、日常生活を支える大切な医療アイテムです。しかし、見えない心の負担にも目を向けなければ、継続使用が難しくなることもあります。

周囲の理解、情報収集、そして「無理しない」ことを大切にしながら、自分らしいペースで向き合っていくことが心理的サポートの第一歩です。